今回は1月11日に配信された「暗号通貨は何故乱高下するのか あなたは振り回されたいだろうか?」というForbes JAPANの記事の感想について書きたいと思います(Yahoo ニュースにも配信されていました)。その通り!と思う箇所や、いやいや…と思う箇所が多い記事でした。暗号資産に興味がある方は参考にしてみてください。
タイトルからわかる記事の信頼度
初めに気になった点はタイトルです。「暗号通貨」と聞いて皆さんはどう思いましたか?
あれ?仮想通貨じゃなかったっけ?
デジタル通貨など多くの呼び方が存在しますが、現在は「暗号資産」と呼ぶようになっています。理由としては「通貨」を冠するには不適切であると判断されたからです。
皆さんが認識する通貨とは法定通貨の事を指し、法律によって定められた(国に認められた)通貨の事です。そして、暗号通貨は国のような発行主体が存在しないことが大きな違いとなります。そのため、「通貨」ではなく「資産」と称するのが適切であると判断され、2019年5月31日に資金決済法と金融商品取引法の改正が可決・成立し、呼称が変更されました。仮想通貨や暗号通貨と呼ぶことは禁止されていませんが、記事として掲載するのであれば、正式名称で書くべきだと私は考えます。タイトルを見た時点で警戒したくなるような記事、が第一印象です(笑)
記事の内容①ボラリティが高く、変動性が高い投資
これについてはその通りと思います。暗号資産は急上昇する日もあれば、急下降する日もあり、それが頻繁に発生します。一般的に言う、高リスクの投資になります。実際に実業家(イーロン・マスク)のツイッター一つで多大な影響を受けてしまうような代物です。ですので、暗号資産を扱う方はボラリティについてはきちんと理解しないといけません。
でも、ボラリティを語るならせめてチャートを示して説明しろよ・・・
記事の内容②暗号資産に本質的な価値はない
記者の言いたいことはわかりますが、価値がなかったら今取引していないでしょうが…が感想です。上述の通り、法定通貨は国による裏付けがあり、暗号資産と比べればその信頼度は大きな差があります。
しかし、一方で国家として暗号資産を認める国も現れています。それが中米のエルサルバドルです。エルサルバドルがビットコインを法定通貨として認める政策を決めた理由はこのように言われています。
- 銀行を持たない国民が多いため(暗号資産はP2P:仲介業者を介さずに取引が可能)
- 24時間対応可能であるため
- 海外に出稼ぎをする人が多く、為替手数料が不要となるため
本政策はあまり上手くいってはいませんが、今後このように暗号資産への取り扱いが変わる可能性は十分あると思います。価値がないと判断するのは早計かと思っています。
少なくとも直近ではないと思いますが・・・
記事の内容③インフレ対策として持つ人がいる
私個人の意見ですが、インフレ対策で取り扱うメリットはあまりないと思っています。通貨のインフレに合わせて暗号資産の価値が上がるかどうかはわからないからです。債券や株などの金融資産はインフレと共に上昇し、不動産や金などの現物資産はインフレの影響を受けない性質があります。しかし、暗号資産はどんな影響で上がり下がりするのかが予測しづらく、インフレと共に価値が下がる可能性もあります。インフレ対策に暗号資産を選ぶくらいなら、信頼度が高い金融資産・現物資産を持つほうが賢いでしょう。
私は暗号資産は他の資産と相関関係が低いので、分散投資の一つとして保有するという考えを持っています。詳しくは過去記事をどうぞ。
昔の記事だから仮想通貨という言葉を使ってるよ、恥ずかしい💦
記事の内容④暗号資産が30%下落⇒銀行預金がいきなり30%減ることを想像できるか
あなたは全財産を暗号資産に突っ込んだんか・・・
これは言うまでもなく、自分のリスク許容度を超えた取引を行った見本です。そもそも30%下落は、株でも〇〇ショックのが起こった時はあり得る数値です。このような悪い例を使って記事を書くことで、きちんと勉強されたのかを怪しく思います。
暗号資産に関わらず、自身のリスク許容度はきちんと把握・管理し、余剰資金を使って投資を行いましょう。
最後に
老後2000万円問題をきっかけに、金融資産を持とうとする人が増えています。それに伴い、ぼったくりと思われるもの、資産運用を悪とする記事などが多く見受けられるようになりました。その情報が正しいのか、きちんと調べてから行う必要があります。
上述のとおり、私にとって暗号資産は分散投資の一つであり、リスクの高さから少額でしか取引する気はありません。あくまで積立NISA等をメインに資産運用をしていく作戦です。皆さんも自分のスタイルに合った運用をしていきましょう。
何度も言いますが、投資は自己責任です!
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