皆さんはワンマン企業をご存知ですか?「知らない」、「知ってはいるけど出会ったことがない」、「今まさに遭遇している、ヤバい!」、このように様々な人がいらっしゃると思います。今回は私が経験したワンマン企業と転職までの流れを雑記として書きたいと思います。ワンマン経営に振り回されている人は、転職を視野に行動すべきです。
ワンマン企業とは?
ワンマン企業と聞くとマイナスイメージが強いですが、経営者が単独で経営方針を決める営業方法の一つに過ぎません。ですのでワンマン企業によるデメリットもあればメリットもあります。
メリット::(経営者のやる気があれば)行動が早い
デメリット:(経営者が間違っていても)暴走を止める人がいない
ですので、優秀な人が経営者であれば、むしろいい会社になる可能性は十分にあります。しかし、大抵の場合はデメリットの方が強く、私の場合も経営陣の無茶苦茶なやり方に耐え切れず、転職を決意することになりました。
経営陣の無茶苦茶な言動(実話)
私が働いていた会社は典型的な家族経営で、トップが社長、No2が奥さん、No3が娘さんという構成でした。やりたい放題の言動をいくつか紹介します。
レベル1:無駄な会議が多過ぎる
毎日朝礼を行い、毎週会議を行い、毎月全部署参加の全社会議を行います。と言っても特に議論をすることはなく、ただの進捗発表であり、最後に社長からありがた~い話が聞けます。はい、無駄の塊ですね。
ただ、会議は全くメリットがないというわけではないですし、ワンマンでなくてもやるところはあると思いますのでレベル1としました。
それでも、無駄な会議はやめるべきだと思いますが。
レベル2:精神論が大好き
今期目標の売上額について、前年度から3倍アップという無茶な目標を社長が設定し、それに対して全社員が不満を抱えていました(この時点で既におかしいですが)。それを感じ取ったのか、高過ぎる目標に異を唱えていた部長が体調不良で休みの日に会議を開き、このようなありがた~い話をいただきました。
仕事とは夢をかなえていくものだ。しかし夢を語るにはしっかり稼いで、食っていける基盤をつくらないといけない。そのためにはこれくらい稼がないといけない。だから頑張っていこう!!
3倍アップなんて夢見た人が何を言うか・・・。しかも金額の設定根拠は社長のイメージであり、昨年度の売上や従業員の工数、人件費、経費等を何も考慮しておりません。妄想論にはついていけません。
レベル3:人件費をケチるために危ない橋を渡る
私の仕事は統計解析プログラマーなのですが、この業界の暗黙のルールとして「ダブルプログラミング」というやり方が浸透しています。簡単に言うと、別々の担当者2人が相談することなく独立してプログラムを組み、出力結果を比較して一致したら完成、不一致だったら独立した状態のまま修正し、一致するまで繰り返すという品質保証の一つです。つまり2人いないと仕事が出来ません。しかしこの会社にはプログラマーが私一人しかいない(私が入社する時に、もう一人雇うと口約束はいただきました)という絶望的状況を打破するために増員を懇願したところ
人を雇う金はない。皆で頑張れば何とかなる
皆って誰?そもそもダブルプログラミングを想定したSOPが既に作られているのですが・・・。協議を繰り返し行った結果、私が2つのプログラムを作ることで妥協されました。意味わかんねーよ(´;ω;`) それ、SOP違反だよ。
レベル4:ダンス動画を撮って、鑑賞会開催
社長曰く、コロナ禍で飲み会が出来ない昨今、何かイベントを開催したい・・・。そうだ!ダンス動画を各自撮って、鑑賞会を開こう!!(実際は新入社員が考え、経営陣が許可した流れになっています。表向きは)
は?
勿論、全員強制参加イベントであり、家か職場でNiziUのMake you happyを踊ることを強要されました。いや、家だろうが職場だろうが個人情報満載でしょうが。そんなものを渡してネットに流されたら確実に訴えます。そもそもやりたくない(重要)。
動画編集担当の方には申し訳なかったですが、「やりません」と宣言して不参加を貫かせていただきました。なお、ダンス動画は新入社員に見せているそうです。せめて動画に参加した人から映像を使用することの許可取れよ。
レベル5:減給するぞ、お前ら♡
大前提として、社員の懲戒処分は就業規則にて定義されます。これは労働基準法にて、予め懲戒の種別や事由を就業規則にて定めておくことが決まっているからです。
前置きはさておき、本会社では毎日日報を書くことを求められています。そして何人かが日報を毎日出さないという事案が発生しています。このことを憂いた社長はこんなことを会議で発言されました。
こういうことが起きていることが非常に悲しいよ。そういう人にはペナルティを科し、減給することにする。どのくらい減給するかはこれから考える
は?(2回目)
悲しいのは社長の頭の中だろ。就業規則に記載されている懲戒処分と照らし合わせても減給は明らかにオーバーですし、減給の限度額は労働基準法で定まっています。聞いたときはただの脅し(冗談ではなく脅しと感じました)と思いましたが、アンチ日報を掲げていた上長と話していたら、上長は既に減給されていたそうです・・・。
ワンマン企業からは脱出するべき
実体験を挙げましたが、これらのことから下記のような考えを持つようになりました。
①自分の人生は自分の物
企業で働いている限り、上司や依頼者に振り回されることは多々あります。しかし、ワンマンの場合は理不尽かつ根拠のない命令に振り回されます。そのような環境を数年間過ごすことを想像することはできますか?残念ながら私は無理であり、転職の道を選びました。勿論転職には様々なリスクがあります。転職のリストと現職に残るリスク、どちらをとるかを考えましょう。それが自分の人生の選択です。
②価値観の不一致は致命的
私は社長の考え・価値観を最後まで理解することが出来ませんでした。初心者が多く人手が全く足りていないこの会社では、人員募集と各個人のスキルアップが急務と私は考えますが、社長は人員を増やすことはせず、調和(仲の良さ)を一番と考えています。コロナ禍の緊急事態宣言の終わりと共にテレワークを禁止した理由として、出社して皆で顔を合わせて仕事したほうが楽しいからだと明言されました。そうやって職場内の仲が良くなれば、お互いが助け合ってすべて上手くいくという考えであり、私が一番嫌いな馴れ合い環境の出来上がりです。
価値観が全く同じ人はいませんので、互いの価値観を尊敬・尊重することが大事と私は考えますが、価値観の共有が全く出来ない場合は心身に負荷をかけることは間違いないです。
③そもそも信用できない
日報を書かないだけで、就業規則にないルールを作って減給処分を下す会社を私は信用できませんでした。また、グループ会社の離職率の異常の高さの対策として、その分人を雇うという悪手を行う経営方針、”別の部門に入ってくる新入社員を、人が足りていない部署にすぐに異動させる”、いわゆる求人詐欺を堂々と会議で宣言する異常性に私自身が危機感を覚えました。
信用できない会社に働き続けることが一番のリスクと私は判断しました。
まとめ
以上、ワンマン企業での実体験と私の感想を書きました。念のためフォローはしますが、ワンマン企業ではありましたが、ブラック企業のような度を超えた残業や給料の未払い等はありませんでした。しかし、いい会社とは全く言えず、友人に紹介したいとは一切思えない職場でした。
次回は実際の転職活動と退職願を出すまでのエピソードを記載します(続く)。
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