最近投資家としてよく出演される厚切りジェイソン氏が出版した「ジェイソン流お金の増やし方」を購読してみたので、その感想を記事にしました。この本を読むことで積立投資に対する心のハードルが下がると思います。この記事を読んで、本が気になった方は是非チェックしてみてください。
著者:厚切りジェイソン氏とは?
厚切りジェイソン氏と言われ、最初に思いつくのが
Why Japanese People!?
のセリフだと思います。彼はワタナベエンターテインメント所属のお笑い芸人という印象が強いですが、かなりの高学歴の方です。
経歴
- 1987年 アメリカ生まれ
- 2003年 ミシガン州立大学に飛び級で入学
- 2005年 1年間のみ訪日し、音声認識ソフトの開発に従事(この時にお笑い芸人に興味を持つ)
- 2011年 日本進出を目指す企業に便乗し、日本に渡日
- 2012年 ITベンチャー企業(テラスカイ)に就職。後に副社長になる
- 2013年 ワタナベコメディスクールに入学
- 2014年 お笑い芸人としてデビュー
- 現在 テラスカイグループ本体の事業部長、及び子会社である株式会社テラスカイベンチャーズの取締役
想像以上にすごい経歴だわ・・・
現在の活躍
彼は現在タレント収入の他に、会社の役員報酬、そして資産運用をされているそうです。いくつかの活躍を下記にまとめてみました。
レギュラー番組:NHK「えいごであそぼ」
出演番組:「かんさい情報ネットten.」
ドラマ:「ラジエーションハウスII」
書籍:「ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400」
本を読んだ感想
本書は索引含めて200ページ程度であり、文字も大きく、私は会社の休み時間に使って1週間程度で読み終えてしまいました。内容としては終始「長期」「分散」「積立」の投資を行っているだけで、難しいことはしていない!ということを強調していました。
各章のさわりだけを下記にまとめました。
1章:投資に対する姿勢
第1章は投資をする理由やマネーリテラシーについて触れられています。
彼はすでに経済的自立と早期リタイア「FIRE(Financial Independence and Retire Early)」を達成していると記載しており、決してFIREを目指して資産運用をしたわけではないと書かれていました。また、FIREを達成したことで下記の実感を得たそうです。
- 安心と自由のパスポートを得られた気分である
- 生活費&税金を運用益だけでカバーすることができ、どんなリスク家族を養うことができるから安心である
- 経済的自立を得ているから、興味がある仕事を優先する余裕(自由)がある
また、彼は副業を推奨しています。副業することで投資に回せるお金が増え、自分の市場価値を高めることができるからです。
2章:まずは支出を減らすこと
厚切りジェイソン氏は自他ともに認める節約家であり、支出を減らして投資に回せるお金を増やしています。勿論食費や教育費をものすごく削っているということはなく、「それは本当に自分がほしいものか」を彼自身も家族も考えて生活しているそうです。
特にジェイソン流節約哲学として”Hedonic treadmill”が触れられていました。Hedonic treadmillとは日本語で「快楽順応」と言い、所得が増える→贅沢する→順応する→更なる贅沢を求める、というサイクルです。このサイクルから降りることが重要とのことです。
このサイクルから降りる効果的な方法は固定費を下げることを最初に紹介していました。固定費削減は別記事をご参考ください。
参考記事:節約術 ~固定費の見直し3選~
3章:お金の増やし方
3章では実際の資産運用について書かれています。しかしジェイソン氏が行っているのはインデックスファンドの長期積立だけです。具体的に言うと
- 生活費3ヶ月分の現金を残し、残りは全て投資に回す
- 米国ETF(VTI)にひたすら投資
- 決して売らない
を繰り返しているだけとのことです。これは積立投資の基本であり、多くの方が行っていることだと思います。このことをわかりやすく、そしてすごく簡単なのに何故やらないの?という感じで述べられています。
また、下記の投資は絶対に行わないとのことです。
個別株⇒企業の業績を予想できない&どんな優良企業も100年は持たないと考えられるから
暗号資産⇒価値と将来が読めない&いずれアメリカや中国はデジタル通貨を実用すると思われるから
コモディティ⇒コモディティ自体が成長することはないから、長期投資の視点からだと魅力を感じない
中国株⇒カントリーリスクが怖い
不動産⇒流動性が悪い(売りたいときに売れない)&管理費用・手間がかかる
総評
ジェイソン氏が書かれていたことはほとんど私が投資をする上で気を付けていたことでしたので、自分のやり方を再認識できたと思います。強いて言えば、私は個人株・暗号資産・コモディティにも分散投資をしているので、リスク許容度の設定が異なると感じました。
本書に批判を言うとすれば、インデックス投資のデメリットをもう少し書くべきだと思います。インデックス投資はローリターンであるため長期投資をせざるを得ないこと、〇〇ショックのような暴落は避けられないことが欠点です。暴落によっては投資運用額が半分になる可能性もあり、そのような状態になっても積立続ける決意が必要となります。暴落しても米国株は時間を要するが回復しているということに触れられていますが、実際の暴落した時の状況も説明すべきと感じました。
あと、「僕には才能はなかったが、やり抜く力があった」と書かれていました。でも、努力が継続できることは才能だと思うし、取締役になれる人はやはり才能があると思います・・・。
投資を行ったことがない人にとって、投資に対するハードルを下げてくれる本だと思います。興味を持ったことは是非読んでみましょう!
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