とうとう楽天レバレッジNASDAQ-100(通称:レバナス)という新ファンドが登場しました。この投資信託は投資対象としてありかどうかについて、私の個人的な意見を記事にしました。そもそもレバリッジって何?ナスダックって?という人も是非読んでみてください!
楽天レバレッジNASDAQ-100とは?
レバレッジNASDAQ-100は通称レバナスと呼ばれています(レバリッジをかけたナスダック100指数の値動きを目指すファンド、略してレバナス)。NASDAQ100(ナスダック100)という株価指数の約2倍の値動きを狙って運用されるファンドのことです。いくつか横文字が出てきたので少し整理しましょう。
レバレッジとは
レバレッジ(Leverage)とはてこの原理の意味を指し、一言で言うならば
種銭を借金で用意して、一気に稼ごうぜ!Yeah!!
です(色々語弊を招くセリフですね)。レバレッジはどちらかというとFXの方が馴染みある用語だと思います。手持ちの資金が10万円だと仮定し、レバレッジ10倍を設定すると100万円分の取引が可能となります。このように少ない資金で大きく稼ぐ’、逆に損失も大きくなる可能性がある魔法の言葉だと思ってください。このレバレッジによって、ナスダック100指数が2倍に値動きしたら本ファンドも2倍の動きをするとされています。
NASDAQ100とは
NASDAQ100とは米国の市場の一つ、NASDAQ(ナスダック)の代表的な企業で構成された株価指数です。有名な米国の株価指数であるS&P500との比較を下記にまとめてみました。
NASDAQ100 | VS | S&P500 |
NASDAQ Index Dissemination Services | 算出会社 | S&P Dow Jones Indices |
100 | 企業数 | 500 |
時価総額加重 | 算出方法 | 時価総額加重 |
IT企業が多い | 傾向 | 色々 |
このように企業数の違いはありますが、一番の違いは株価指数算に使用した企業の採択方法だと思います。S&P500は米国企業のみで構成され、四半期連続黒字維持など厳しい基準が設けられていますが、NASDAQ100は米国以外の企業も対象であり、資本や時価総額などとある基準に一つでも満たしていれば採択されます。つまり、赤字企業でも採択される可能性があり、これは中々のリスクです(成長株である可能性もあり、暴落をおこす企業である可能性もあり得ます)。今回のコロナ禍では成長株が含まれており、S&P500を大きく上回る結果となっております。
楽天のレバナスのメリット
レバナスが注目される理由、つまりメリットは大きく2つあります。
メリット① ハイリターンの可能性があり
前述の通り、NASDAQは大きな右肩上がりをしており、レバレッジによって2倍に動く本ファンドはその恩恵を受けることができます。他にも、金融関係の株が組み込まれていないというところから、金融ショックの影響が少ないというメリットもあります。
メリット② 信託報酬が既存のファンドより安い
投資信託を行う上で重要なファクターの一つが信託報酬、つまり管理費です。投資信託は中長期を見据えた投資が原則であるため、信託報酬は安ければ安いほど有利です(これがアクティブファンドがインデックスファンドに勝てない要因の一つです)。
NASDAQのレバナスは既に”iFreeレバレッジ NASDAQ100”というファンドが登場しています。このファンドの信託報酬は0.99%ですが、楽天のレバナスは0.77%ですので既存と比べるとかなり安いです。 ”iFreeレバレッジ NASDAQ100” に既に投資している方は乗り換えるのもありだと思います。
楽天のレバナスのデメリット
勿論、レバナスにはデメリットもあります。
デメリット① NASDAQも今後右肩上がりかは不明
これはどの投資でも言える事ですが、今後の推移についてはわかりません。ただ、NASDAQは採択基準が比較的緩いという観点から、値動きが激しいということは常に覚えておく必要があります。
デメリット② レバレッジは横ばい推移に弱い
100を基準に、10%アップ→20%ダウン→10%アップの値動きをシミュレーションしてみましょう。
①レバレッジなし
100 → 110(10%) → 88(▲20%) → 96.8(10%)
②レバレッジ2倍
100 → 120(20%) → 72(▲40%) → 86.4(10%)
このように横ばい推移をすると資産はどんどん目減りしていきます。理由としては元資産(種銭)が大きい程上下の影響が大きくなるからです。”100の10%アップ”と”90の10%アップ”では、同じ10%アップでも絶対量は異なります。レバレッジがあるとその影響はさらに強くなるため、中長期投資としては不向きという特性があります。上昇傾向時の短期売買にこそ真価を発揮する投資手法です。
デメリット?③ 積立NISA対象外
これをデメリットとするかは微妙なところですが、積立NISAの対象外のファンドとなります。理由は積立NISAの要件の一つ、デリバティブ取引による運用を行っていないこと、を満たしておりません。いわゆる先物取引を投資対象としているためです。ちなみにNISAでは投資できます。
個人的な見解は
私は本ファンドを投資することはないと思います。レバレッジをかけた投資は短期取引向けの投資手法であり、中長期の運用が前提である投資信託とは相性が悪いと考えます。もしやるとしたら投資信託ではなく、先物取引として自分自身で行います。
また、信託報酬は基本徐々に下がっていくものですので、購入を考えている方はもう少し様子見をしてからでもよいではないでしょうか。
最後に
何度も書いていますが、投資は自己責任です。自分の生活に合ったリスクを見極め、投資ライフを過ごしていきましょう!なお、投資初心者は積立NISAがオススメです。まずは低額から始めてみましょう。
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